「台湾華語」のテキストが書店でも並ぶようになり、「台湾で話されている言葉=台湾華語」という認識が広まりつつあります。
でもちょっと待ってください。
そもそも「台湾華語」というのは何語なんでしょうか。中国語?台湾語?それともまた別の言語?
そのような疑問を、今回の記事はちょっとスタイルを変えて、Q and A 方式で書いてみました。これによって皆さんの台湾華語に対する疑問が晴れることを祈っています!
台湾で使われる言語についての質問と回答
Q1:台湾華語と中国語は同じ?
台湾に20年以上も住んでいる私ですが、実は「台湾華語」という言葉はごく最近聴くようになった言葉で、そもそも台湾人には「自分たちが話しているのは“台湾華語”だ」という認識はありません。
例えば、台湾で「你會講中文嗎?」「你會講國語嗎?」と聞かれることがあるかと思いますが、「你會講台灣華語嗎?」と聞かれることはまずありません。
台湾の人々は、自分たちが話している言語を「中文(zhong wén)」または「國語(gúo yǔ」と呼んでいます。中国の中国語と区別するために「台湾中文」と表記することもあります。
それから台湾の訛りの強い(中国語よりも台湾語を習慣的に使っていて、中国語に台湾語が混じったりする)人の中国語を少し茶化して「台湾國語」ということもあります。特に南部の年配者に多く見られます。
中国語を「台湾華語」というのは外の人、つまり台湾で中国語を勉強したい海外の人やその先生が、中国で話されている簡体字の中国語(普通語)と区別して呼んでいる名前です。
ちなみに台湾の小学校で勉強する中国語は「國語」、中学校以上で勉強する中国語は「國文」と言います。
そのうち「台湾華語」という言い方が台湾人の間でも浸透するかもしれませんね。
台湾華語って何?
台湾人の夫
Q2:中国で話されている中国語と台湾で話されている中国語は同じ?
中国では簡体字を使って表記されますが、台湾では繁体字を使います。発音は微妙な差はありますが、ほぼ同じだと考えて大丈夫です。たまに使われる語彙が違うこともありますが、意思疎通に支障が出るほどではありません。
ですから、日本で勉強した中国語は基本的に台湾でも通じますから大丈夫です。
ただ逆に、台湾人の中国語がよく聞き取れないことはあるかもしれません。特に年配の方や、普段は台湾語で話している人の中国語は時に聞き取りにくい場合があります。
大丈夫です。そのうち慣れます!
大丈夫です。そのうち慣れます!
Q3:台湾の公用語は中国語ってこと?
Q2での回答にもあったように、台湾で話されている言葉は中国語です。台湾では「中文」または「國語」と言います。そしてそれらは日本人や台湾で勉強している留学生からは「台湾華語」と呼ばれることもあります。
表記は繁体字で、発音は注音(ㄅㄆㄇㄈ)と呼ばれる記号を使って表します。ピンインは台湾では使われていません。ピンインがわかるのは留学生に中国語を教えている教師などの一部の人のみです。パソコンやスマホのキーボードも注音を使います。
台湾では中国語が公用語となっていますが、台湾語も話されています。台湾語は中国語とは全く別の言語で、感覚で言えば日本語と韓国語ほどの違いがあります。
台湾語については次の質問でお答えします。
Q4:台湾語も話されているそうですが・・・
台湾では中国語と台湾語のどちらも使われていますが、全ての台湾人が台湾語を話せるわけではありません。
特に小学校、中学校に通う子供たちの中には、台湾語を話せない人もたくさんいます。
台湾の小中学校では「本土語」の授業があり、台湾語か客家語、またはその他の原住民の言葉を選択することができます。(とはいえ、原住民の言葉を教えられる教師も限られるので、実際は台湾語か客家語の2択になることが多いですが)
しかし、本土語の授業は1週間に1時間程度なので、今まで台湾語を話せなかった子が学校の授業だけで話せるようになる、ということはなかなか難しいようです。台湾語が話せるかどうかは完全に家庭環境と言っていいでしょう。
逆に、台湾語しかわからないという人もいます。台湾語しかわからない方は、ほとんどが80歳以上の年配の方で、学校で教育を受けられなかった方がほとんどだそうです。
義父の話では、義父が学生の頃、学校で台湾語を話すことが禁じられていたそうです。つまり、学校で教育を受けた人は中国語が分かり、金銭的な事情などで学校に通えなかった方は中国語が分からないということになります。
ですから同じ台湾に住んでいても、離れて暮らしている孫の話す中国語が分からないという高齢者の方も多くいます。
台湾の小中学校では「本土語」の授業があり、台湾語か客家語、またはその他の原住民の言葉を選択することができます。(とはいえ、原住民の言葉を教えられる教師も限られるので、実際は台湾語か客家語の2択になることが多いですが)
しかし、本土語の授業は1週間に1時間程度なので、今まで台湾語を話せなかった子が学校の授業だけで話せるようになる、ということはなかなか難しいようです。台湾語が話せるかどうかは完全に家庭環境と言っていいでしょう。
逆に、台湾語しかわからないという人もいます。台湾語しかわからない方は、ほとんどが80歳以上の年配の方で、学校で教育を受けられなかった方がほとんどだそうです。
義父の話では、義父が学生の頃、学校で台湾語を話すことが禁じられていたそうです。つまり、学校で教育を受けた人は中国語が分かり、金銭的な事情などで学校に通えなかった方は中国語が分からないということになります。
ですから同じ台湾に住んでいても、離れて暮らしている孫の話す中国語が分からないという高齢者の方も多くいます。
Q5:つまり台湾で使われている言語は・・・
①中文:
台湾華語、中国語、國文と呼ばれるもの。繁体字。
②台語:
台湾語、閩南語と呼ばれるもの。
どちらも話せる人が大半ですが、どちらかしか話せないという方も多くいます。中文しか話せない人は子供たちに多く、台語しか話せない人は高齢者に多いです。
どちらかしか分からない人のために、MRTやバス、高鐵などの公共交通機関のアナウンスは、中国語、台湾語のどちらも放送されます。テレビでは台湾語のニュースやドラマも放送されます。
日本のアニメ「ちびまる子ちゃん」は中国語バージョンと台湾語バージョンがあるんですよ。
同じく日本のアニメ「あたしンち」では、お母さんが時々台湾語になります。台湾語は「オバちゃん感」を出すのにちょうどいいんです!
私は台湾語が話せますが
得意ではありません
10代の娘
Q6:台湾が大好きです。先に勉強するなら中国語?台湾語?
A:断然中国語です。
台湾語を話す外国人はウケはいいですが、日常で使われるのはやっぱり中国語です。台湾語を勉強するのは中国語をある程度マスターしてからにしたほうがいいでしょう。
ちなみにこの記事を書いている大喬は、聞いて大体意味は分かりますが、あまり話せません・・・。
台湾語を話せるということは素敵なことですが、まずは中国語をもっともっとレベルアップさせることに力を入れたいなと思っています。台湾語は・・・そのうちやります!
中国語と台湾語はこんなに違う
最後に、中国語(普通語と台湾華語)と台湾語の違いを少しだけ比較してみましょう。
台湾語は発音の違いがわかるようにカタカナでも書いてみました。台湾語はピンインとはまた違った発音表記があるので覚え直す必要があります。声調はなんと8個もあるんですよ。
以下の文は上から
台湾語は発音の違いがわかるようにカタカナでも書いてみました。台湾語はピンインとはまた違った発音表記があるので覚え直す必要があります。声調はなんと8個もあるんですよ。
以下の文は上から
- 台湾華語(台湾で使われる中国語)
- 普通語(中国で使われる中国語)
- 台湾語
です。
今何時ですか
- 現在幾點?
(xiàn zài jǐ diǎn)
- 现在几点?
(xiàn zài jǐ diǎn) - 這馬幾點?
(tsit ma2 kui2 tiam2)
(ジ マ グイ ディアム)
いつ出発しますか
- 什麼時候出門?
(shén me shí hòu chū mén) - 什么时候出门?
(shén me shí hòu chū mén) - 啥物時陣出門?
(siann2 mih4 si5 tsun7 tshut4 mng5)
(シャ ミ シ ズン ツ メン)
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