こんにちは。台湾で中国語を独学している大喬です。
「中国語を聞き取れるようになりたくてリスニングの練習をしたいけれど、具体的にどうやったらいいかわからない」
そういう悩みを持っている方は意外と多いのではないでしょうか。
リスニングと言っても、日常生活が聞き取れるようになりたいのか、ニュースやスピーチなどの原稿を読み上げるような中国語が聞き取れるようになりたいのかで練習方法が変わってくると思うのですが、今回の記事では、ニュースを使ったリスニングの練習方法についてご紹介します。
なお、ニュースではなく日常で使われている自然な中国語を聞きたいという方は、中級者から楽しめるポッドキャストなどを紹介した下記の記事を参考にしてみてください。
スクリプト付きニュースを探す
ではさっそくニュースを使ったリスニングの練習方法を説明していきます。
まずはスクリプト付きの動画を探すことから始めます。
たくさんの音を聞くことを目的とした「多聴」であるならスクリプトは必ずしも必須ではないのですが、勉強として聴く「精聴」をしたいのならスクリプトは必須です。
スクリプトが用意されている検定対策リスニング教材を使うのも有効ですが、ここでは無料で準備できるものを紹介します。
そしてこの「LINE TODAY 台湾」は日本からでもアクセスできることを確認しました!
①LINE TODAYのニュースから探す
台湾に住んでいる方なら、スマホのLINEアプリを開き、画面表示をトークからLINE TODAYに切り替えます。もちろんパソコンからでもOK。
台湾以外の地域に住んでいる方は、パソコンで「LINE TODAY 台湾」を検索してみてください。トップの方にサイトが出てきているはずです。画像下のリンクからもサイトにアクセスできます。
LINE TODAYが表示されたら「看片」のページに移ります。
「焦點」しか出てこない時は、隣にあるマークをクリックしてください。
このページでは最近話題となっているさまざまなニュースを見ることができます。「華視影音」「民視新聞影音」の動画であれば説明欄にスクリプトが記載されていることが多いので、リスニング練習にとても適していると思います。
これは華視新聞のニュースです。
今回の記事で例として使用するニュースのリンクを貼っておきます。
映像の下の説明欄に原稿が載っているのですが、今回の映像で読み上げているのは上から3行目の「少年傷勢嚴重・・・」からになります。
②スクリプトをプリントアウトする
動画の概要欄にスクリプトがあるのでプリンターで印刷します。
iPhoneやMacの場合はスクリプト部分をコピーして、Pageに貼り付けることで簡単にプリントアウトできます。フォントや文字の大きさも変更できて便利です。
ちなみに私はいつも文字サイズを11に変更して印刷しています。
以前は用紙をB5に設定してプリントアウトしたものをノートに貼り付けていたのですが、最近はA4の紙にプリントアウトしています。ノートは使っていません。
スクリプトをプリントアウトするのは映像を見る前でも見た後でもどちらでも構わないのですが、私は映像を見た後すぐにスクリプトを確認したいので先に準備しておきます。
③スクリプトなしで映像を見る
まずはスクリプトなしでニュースを見ます。
何回見るかは人によって変わってくると思います。リスニングテストではないので分かるまで見るのもいいと思いますし、1回でどのくらい聞き取れたのか確かめたいという方は1回でもいいでしょう。
ちなみに私は基本的に1回だけ聞いて、すぐにスクリプトを見ます。というのも、私の場合は聞き取れない部分があるのは読むスピードの問題ではなく、単に語彙不足であることが自分でわかっているからです。
語彙がわからない時は何度聞いても分からないものは分かりません。そういう場合は潔くスクリプトを確認して、その後の学習に時間をかけた方が効率がいいです。逆に、「もう一回聞けばもっと分かるかも」という方は繰り返し聞いてみることをお勧めします。「これ以上聞いても理解力は変わらないだろう」という極限のところまで繰り返すことで、聞き取れないのは速度の問題なのか、それとも語彙不足のためなのかわかってくると思います。
④スクリプトを確認する
ニュースを見終えたらスクリプトの確認に入ります。
目で見るだけだと意味を推測して理解したつもりになってしまうので、必ず声に出して読みます。
日本人が中国語を見ると意味をなんとなく推測できてしまうのは、中国語学習においてメリットでもありデメリットでもあります。
スクリプトを読むときは、読めない漢字や新しい単語に印を入れながら、とりあえず最後まで読んでみます。発音がわからないところは印だけ入れて読み飛ばし、流れを止めないように意識します。調べるのは後回しです。
⑤単語の発音、意味を調べる
先ほども触れましたが、私は以前はB5の紙にプリントアウトしたものを精読用ノートに貼り付け、左ページに記事、右ページに単語を書いたりしていました。今は精読も精聴もノートは使わずに直接書き込んでいます。
今回、私が印をつけた語彙はこんな感じでした。
「質疑」は日本語でも同じなので見れば意味は分かるし発音もできるんですが、音声だけだったらきっと聞き取れなかっただろうと思われます。
「獲報」は「接獲通報」の短縮語です。
「勤務」は単語帳にも載っていて知っている単語のはずなんですけど、聞いた時は頭に浮かびませんでした。定着していない証拠ですね。私はこの類の単語が多いので注意しなければいけません。
「併發症」は漢字を見れば発音できるし、もちろん意味もわかりますが、中国語の単語として認識したことはなかったので、今後は使えるように新たな語彙としてインプットしておきます。
「分秒〇〇」、「心急如○」などは、○の部分が分からなかったとしてもだいたいの流れで意味は推測できるので、スクリプトがなければスルーしてまうところでした。これらはよくニュースでも出てきそうなので要チェックです。
中国語は日本語と似ている部分があり、中国語であることを認識したことがない単語であっても、それをあたかも知っている中国語だと錯覚してしまいやすくなります。
さて、意味が確認できたら、もう一度スクリプトを声に出して読みます。
⑥最後にもう1度スクリプトあり、なしで聞いてみる
最後にスクリプトを見ながら、または見ないでもう1度映像をみてみます。
最終的にはスクリプトなしで完璧に聞き取れるようになるのが理想ですが、中級者の方は7割8割くらい聞き取れればよしとして終了してもいいと思います。
完璧を求めすぎて1つのスクリプトに時間をかけすぎるよりは、理解度はそこそこに数をこなしていった方が効果的だと思うからです。
スクリプトなしでも聞き取れる場合は、シャドーイング練習をプラスするのもいいですね。
YouTubeの字幕付きニュース(ドキュメンタリー)
今回の記事ではスクリプト付きのニュースの活用の仕方について紹介しましたが、スクリプトではなく字幕だけでしたらYouTube上にも良質な動画がたくさんあります。
台湾ではテレビ局の公式チャンネルでニュースやドラマ、バラエティー番組などを無料で公開していることが多く、そこから勉強に使えそうなものを探すことができます。
例を挙げると、華視新聞CH52の【華視新聞雜誌】には社会問題を取り上げたドキュメンタリーがたくさんあり、どれも興味深い内容となっています。
(華視電視台は台湾の公共放送です)
華視新聞雜誌の公式再生リストはこちらから
ここで紹介する動画は、最近台湾で話題となっているカンボジアでの詐欺監禁問題を取り上げています。
台湾では多くの若者が海外就職だと騙されてカンボジアに渡り、そこで監禁されて犯罪行為に加担させられる事件が発生しています。
残念ながらスクリプトがないのでプリントアウトしての学習はできませんが、中国語の字幕がついているのでリスニングの練習になると思います。
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