前回の記事では『聴く中国語 8月号』の記事の中から、リスニングの難易度が<初中級>のものをピックアップして学習してみましたが、今回は次のレベル<中級>を取り上げてレビューしてみたいと思います。
ちなみにこの雑誌では、それぞれのページを中国語のリスニングレベルを
<★初中級>
<★★中級>
<★★★上級>
で表しています。
前回取り上げた<★初中級>についてはこちらの記事をご覧ください。
『聴く中国語 8月号』<★★中級>
8月号の記事のうち、中級にカテゴリーされているのは7つ。
初中級の時と同じように、最初から順番に中級の記事を拾い出して学習しました。
リスニング教材としては難しかった
最初の中級記事は『走進中國水鄉小鎮的世界』
中国の水郷村についての記事で、8月号の表紙にもなっています。
8月号の特集記事ということもあり、なんと7ページというボリュームで、文字数にして1200字前後。
ここでは、リスニングよりもまず本文に目を通し、本文を十分に理解することを目的として学習しました。
簡体字に慣れていないため、読むのに少し時間はかかってしまいましたが、本文自体は初中級くらい。
本文を読んでいくと、水郷、地名の他にも、画家の名前と作品名、映画のタイトルや詩人の名前など、やはりリスニングだけだと理解できていなかっただろうと思われるものがたくさんありました。
この特集記事はとても興味深く、また掲載されている写真もとても美しいので、リスニングの学習よりもまずは記事の内容を楽しむことにしました。
記事をよく理解した後は、本文を目で追いながらリスニング。別の日に、本文を声に出して読みながらリスニングをして終了。
・中西合璧・・・中国と西洋の融合。中洋折衷。
・拱形・・・アーチ型
・彷彿・・・あたかも〜のようだ
・不勝枚舉・・・枚挙にいとまがない
生活会話はとても簡単
先ほどの7ページにわたる水郷村の特集記事は、いきなり本文なしでのリスニングだと私にはちょっと難しい感じなんですけど、それ以外の中級記事は意外と簡単でした。
『預定民宿』のパートは、電話で民宿の予約をする(問い合わせをする)内容になっているのですが、これは会話ということもあり、特に問題はありませんでした。
ただ、台湾では賞味期限のことを「有效期間」「保存期限」というのですが、中国では「保質期」というそうです。これは初めて聞く単語でしたが、前後関係から推測ができます。
「豆板醤などのような○○○が短いものは置いてありません。」という文から、〇〇に入る語が賞味期限を表す語だということがわかります。
ちなみに台湾では「質」は2声(中国では4声)、「期」は2声(中国では1声)です。
『買彩票中獎了』のパートも、日常でよく話されるトピックなので本文なしでも全く問題ありませんでした。
台湾では2ヶ月に1回、レシートの発行番号で現金が当たる宝くじのようなものがあります。そのため、「對發票」(レシートが当たっているか番号を確かめる)、「發票中了」(レシートが当たった)という会話が定期的に飛び交います。
でもここでは新しい語彙があって、そこから学んだこともありましたので紹介します。
・蹭飯・・・ご馳走になる
本文では「ご馳走になる」という形で出ていたのですが、ここからいろいろネットで調べると、「蹭飯女」という言葉が見つかりました。
これは日本語では「タダ飯女」とか「メシモク女」とかに訳されるそうです。タダ飯女はわかるとして、日本に長いこと住んでいない私には「メシモク」がよく分からなかったので調べてみました。
ネットで調べると、ご飯を奢ってもらうのが目的で男性と会う女の人のことを指すそうです。マッチングアプリとか合コンで知り合った男性を食事に誘って奢らせる・・・。
・蹭飯女・・・食事を奢らせるためだけに男性を食事に誘う女(笑)
とてもためになる金融中国語
「前回は金融商品を紹介しましたが・・・」という日本語で始まる文。どうやら前回も金融関係の中国語表現を学習したようです。
左のページには日本語でリスクとリターンについてとても詳しく、そして分かりやすく説明してあります。金融に詳しくない私でも、とても興味深く読むことができました。
右のページには、左のページで学習したリスクとリターンの日本語説明を、中国語で簡単に5つの例文としてまとめられています。
金融の話ということで難しく感じられるかもしれませんが、左の日本語の解説を理解できれば右の中国語の例文もすぐに理解できます。
まず金融の知識を日本語で学べ、それを中国語でも表現することができるようになるので、個人的にはとても気に入っています。
このコラムではシャドーイングをしてリスニングとスピーキングの練習をしました。例文が5つしかないので負担にならずに無理なく金融の表現を学ぶことができました。
音声のない文章だけの記事
記事の全てに音声がついているものだと思っていたら、文字だけのコラムもありました。
『料理で学ぶ中国語』では、驢打滾(ルダグン)という北京の伝統菓子の作り方を紹介しています。
私はお菓子作りにはあまり興味がないのですが、ここで出てくる料理関係の語はとてもためになると思いました。
中国と台湾で使われる語に少し差がありますが、台湾で使われる語を調べることによって新しい語を学ぶことができました。
・砧板・・・まな板。(本文では「案板」)
・擀麵棍・・・麺棒。(本文では「擀麵杖」)
台湾でも「案板」「擀麵杖」を使う場合もあるそうですが、一般的には「砧板」「擀麵棍」を使うそうです。
まな板は日常でよく使用するものですが、中国語でなんというのかは気にしたことがありませんでした。使用頻度は高くないかもしれませんが、毎日のように使うものですので覚えておこうと思います。
中級レベルの学習を終えて
中級のそれぞれのコラムを学習して感じたこと
・中国の固有名詞が並ぶとリスニングが難しい
・簡体字なので文字を理解するスピードが遅い
・会話に関しては中級でも簡単だと感じる
中国の固有名詞が並ぶとリスニングの難易度が上がる
これは私が中国に住んでいないので仕方がないというのもありますが、地名などの固有名詞がたくさん並ぶような記事だと、私の場合はまず本文に目を通してからリスニングをした方がよいように感じました。
例えば日本語の地名でも、「東京(dong jing)」とか「京都(jing du)」とか「北海道(bei hai dao)」とかの中国語はもちろんわかりますが、いきなり「xiao zun」とか言われても、その読み方を知らなければ「小樽」とは分かりません。
47都道府県くらいなら中国語でも覚えておいたほうがいいでしょうが、日本中の都市を覚えることは不可能に近いですよね。
中国は日本よりももっともっと大きいので、それこそ都市名を全て覚えるのはそれこそ不可能でしょう。
ですから、私のような中国の地理に詳しくない方が学習する時は、まず文字で地名を確認してからリスニングをすると良いと思います。
簡体字なので文字を理解するスピードが遅い
繁体字だと目で見た瞬間に脳に文字が入るので、目で見たのと同時に理解ができるのですが、簡体字だとどうしてもタイムラグが生じてしまいます。
日本語でカタカナの「ヌ」を見たときに、日本語を母語としている人はそれが「ぬ」であることを一瞬で理解しますが、カタカナを学習中の外国の方は、「ヌ」が「ぬ」のカタカナであることを理解するのに少し時間を要してしまうかもしれません。
私が今そんな感じです。
8月号の中級の記事から例を挙げると、
・「亏」→「虧」
・「乂」→「義」
・「龙」→「龍」
などです。
虧は形が似ているので割とすぐに分かりましたが、それ以外はちょっと厳しいです。慣れるしかないですね。
会話に関しては中級でも簡単
これは私が中華圏で生活をしているからだと思いますが、記事を読み上げる音声よりも日常会話の方が、私にとっては断然聞き取りやすいです。
しかし、普段日常会話に触れる機会があまりない人にとっては、もしかしたら難しく感じてしまうかもしれません。
この雑誌に出てきた日常会話は、量的にも多過ぎず、日常でもよく使われるシーンでの会話文なので、シャドーイングにもとても適していると思います。
リスニングだけでなく、スピーキングの練習にもなるのでおすすめです。
中級のレビューは以上です。
次はいよいよ上級レベルに挑戦してみたいと思います。
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