かなりゆっくりとしたペースでしたが、『聴く中国語』の8月号をやっと全部(ほぼ全部)学習し終わりました。
初中級、中級、中上級とレベルの簡単なものから順に学習を行っていき、本文についているそれぞれの設問や、中検2級、HSK6級の問題も解いてみました。
今回は主に中上級のレビューと、本全体としての感想などを述べていきたいと思います。
初中級、中級のレビューは、学習途中経過の記事①②をご覧ください。
いよいよ中上級のリスニング
8月号に掲載されている中上級レベルのコーナーは次の4つのジャンルで構成されています。
・ドラマ
・インタビュー
・文学作品
ニュースフォーカス
5文程度の短いニュースを読み上げるコーナーで、今回購入した8月号には6つのニュースが用意されていました。
8月号で取り上げれたニュースは、中国のニュースが2本、国際ニュースが2本、そして日本のニュースが2本です。とてもバランスがいいと思います。
②本文を見ないでリスニング
③本文を見て理解度を確認
④声に出して読む
⑤もう一度リスニング
⑥シャドーイング
・中國電動汽車相關專利數量跌居世界第一
・知名脫口秀公司“笑果”被罰千萬
・海地兒童營養不良現象正在加劇
・尼泊爾派登山隊為珠穆朗瑪峰做“大掃除”
・新潟夜空綻放白色煙花哀悼俄烏衝突死難者
・東京銀座驚險頭戴面具的強盜
内容は大体わか理ましたが、もちろん全ての語彙を100パーセント理解したわけではないので、本文を見ながら確認します。
曖昧に覚えていた発音もきちんと確認。
・海地・・・ハイチ
・霍亂・・・コレラ。台湾では虎列拉/虎疫の方が一般的。
・加劇・・・激化する。深刻化する。
・珠穆朗瑪峰・・・チョモランマ
・新潟・・・xin xi
・哀悼・・・ai dao
・嫌疑人・・・xian yi ren
ニュースフォーカスで取り上げられたニュースは、中国語スクリプトも日本語訳もピンインもついているので、とても勉強しやすいと思います。長さも1分くらいなので、集中して聴くことができ、またシャドーイングにも適していると思います。
ドラマ
今回取り上げられているのは、中国のテレビドラマ『去有風的地方』の一部です。
2023年1月から放送されている人気ドラマらしく、このドラマの影響で、物語の舞台となっている雲南省への旅行が流行っているとか。台湾でもNetflixで見ることができます。
今回私は初めて中国の現代ドラマを見た(聞いた)のですが、率直な感想は・・・
難しい!!!
台湾のドラマで台湾の発音に慣れている身からすると、発音が違いすぎて理解がワンテンポ遅れる!
もちろん全くわからないわけではなく、全体の流れは理解できるのですが、イントネーションや巻き舌が、頭で中国語を理解するスピードを遅らせている感じです。耳から脳の距離が長くなったようなイメージ(笑)。
会話のスピードは割とゆっくりめで、一度スクリプトを読んでから音声を聞くとはっきりと聞き取れるのですが、いきなりスクリプトなしで聞くのは、私のような台湾で学習している外国人にとっては少々キツいかもしれません。
というわけで、私は中国のドラマを生で楽しむことに目的をシフトし、勉強はひとまず置いておくことにしました。
このドラマのコーナーは、スクリプトと日本語訳がありますが、ピンインはありません。
インタビュー
二胡の演奏家、李軍さんへのインタビューです。
生インタビューなので、文法上のミスがあったり、話すスピードが途中で変わったりしますが、率直な感想は・・・
めちゃくちゃ速い!! でも聞き取りやすい!!
李さんの中国語は、私にとっては先ほどのドラマよりも断然聞き取りやすく、スクリプトなしで最後まで聞きましたが、作品名(例えば「梁祝」)など以外はほぼ聞き取れました。これが聴解の試験だったら高得点取れていると思います!
李さんは上海で生まれたそうですが、その後は香港、マレーシアで生活をしているそうなので、どちらかというと台湾寄りの中国語を話している印象です。
話すスピードはかなり速いのですが、巻き舌がそんなに強くなく、イントネーションも台湾華語とほぼ変わらないため、台湾で勉強している人には聞き取りやすいのではないでしょうか。
生インタビューは用意された綺麗な文章を読みあげているわけではないので、学習者にとって自然な中国語を聞くいい機会だと思います。
私は英語を学習しているときに、『ENGLISH Journal』のハリウドスターや有名人のインタビューを使ってリスニング、シャドーイングをしていましたが、英語の聴解や発音はこれでかなり鍛えらました。
中検、HSKの問題も解いてみた
8月号には中検2級の問題と、HSK6級の問題が掲載されていました。
◎まずは中検の問題から。
穴埋め問題10問で、空欄に入る適当な語彙を選ぶ問題です。
中検2級の問題の結果は、10問中9問正解。
間違えたのは「朝三暮四」を選ぶ問題でした。
選択肢は「朝三暮四」「早出晚歸」「一舉兩得」「東奔西走」の4つで、「変わりやすい」という意味を選ぶもの。
4つとも知っている四字熟語だったんですけど、どれも明らかに違うような気がしたので空欄にしました。まぐれで正解しても意味ないですからね。
答えは「朝三暮四」。
えっ?朝三暮四???
実は・・・
私は「目先の違いにとらわれて結局同じだということを理解しないこと。また言葉巧みに騙すこと。」という意味しか知らなかったんですけど、国語辞書で調べたら「変わりやすく一定しない」という意味もあることを知りました・・・。
◎次にHSK6級。
HSKの方は、短文に入る語彙の正しい組み合わせを選ぶ問題が3つ、そして長い文章を読んで4問の質問に答える読解問題の計7問でした。
HSK6級の方は7問とも正解!
繁体字で勉強しているので、簡体字で長文を読むのは確かに少し苦労はしましたが、それでも問題を解くのには全く問題ありませんでした。
今回、中検2級とHSK6級の両方を解いてみて、私は中検の方が少し難しかったかなと思いました。朝三暮四の問題だけではなく、それ以外にも解答に自信のない問題もありました。
検定を受ける予定は全くありませんが、勉強の合間に時々こうやって試験問題を解いてみるのも悪くないと思いました。
『聴く中国語を一冊終えて』
初めて購入してみた『聴く中国語』ですが、中国語を独学している人にとってとてもいい雑誌だと思いました。
独学者が読解やリスニング素材を選ぶとき、どうしても自分の好きなものばかりを選んでしまって、ジャンルが偏りがちです。
でもこうやって雑誌として色々なジャンルの記事が掲載されていると、ふだんはスルーしてしまいそうなジャンルの記事も「せっかくだから読んでみようかな」という気になります。
また、ニュース、ドラマ、生インタビューなど、リスニング練習に話し方が違う中国語を選んでいるのも素晴らしいと思います。ニュースではきちんとした中国語、ドラマでは自然に近いがミスのない中国語、生インタビューでは個人の話しぐせも含めて自然な中国語を聞く練習ができます。
私は今回8月号を通して学習してみて、次また購入してみてもいいかなと思いました。
簡体字なので、繁体字で学習している人にとっては少しハードルが上がってしまいますが、それでもおすすめしたい雑誌だと思います。
雑誌のインフォメーションはこちらの記事にまとめてあります。
・今の中国を知りたい
・スクリプト付きのリスニング教材で学習したい
・いろいろなジャンルの中国語に触れたい
・中検やHSKの問題に少し興味がある
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