語学学習において、ドラマや映画は自然な会話表現に触れるのに役立つツールです。
しかし、効率的に学習したい場合は、ドラマや映画よりもトーク番組の方が圧倒的に効率がいいと思います。
今回の記事では、トーク番組が語学学習に向いていると思う理由を、ドラマと比較しながら書いていきたいと思います。
トーク番組の方が効率がいいと思う理由
テンポが速く無駄がない
一般的なドラマは1話が45分ほどです。では、この45分で一体どのくらいの会話表現が学べるでしょうか。
ドラマはストーリーが大事なので、会話というよりは映像重視になるはずです。回想シーンだったり、風景のシーンだったり、泣いているだけのシーンだったり、会話がなくても素敵なBGMと素晴らし俳優さんの演技だけで視聴者をストーリーの中に引き込み、楽しませてくれるのがドラマです。逆に45分間ずっと会話だけだったらドラマとしてはおそらく失敗ですよね。きっと面白くない。
一方、トーク番組は進行が速く、複数のゲストのお話を聞くことができます。45分の番組だったらおそらく40分は会話でしょう。この40分間で大量の中国語をインプットできます。
長い文章を話す参考になる
先ほど述べたことと関連しますが、ドラマの場合はセリフがそんなに長くなく、内容もとても簡単なものばかりです。
一方トーク番組は、ゲスト一人ひとりの発言の時間が長く、自分の考えや体験談をしっかりとわかりやすく伝えていきます。
それゆえ、初級者には難しく感じてしまうかもしれませんが、中級以上の学習者にとってはとてもいい勉強になります。ゲストたちの話し方は、「長い文章でも聞き取れるけれど、同じように話せと言われたら話せない」という悩みを持った学習者のスピーキングの参考になるのではないでしょうか。
セリフではない中国語を聞くことができる
ドラマや映画の会話は「セリフ」です。視聴者が聞きやすいように、はっきりとゆっくりめに話します。セリフでしか使わないような表現も時にはあります。
トーク番組はというと、ゲストは用意されたセリフを暗記してお話しているわけではなく、トピックに沿って自分の意見や体験談を自分の言葉で話します。それゆえ、ゲスト同士で意見が食い違ったときは話を遮られたり、とても早口で捲し立てたり、危うく口論になりそうな場合もあります。つまり、ゲストたちの生の中国語に触れることができるのです。
トピックが豊富で学習しやすい
ドラマはストーリーによって特定のテーマに限定されていますが、トーク番組はいろいろなトピックを扱っています。例えばダイエットの話、子供の教育の話、最近の話題のニュースの話などさまざまです。ですから、45分間で1つのテーマの中国語を大量にインプットすることができます。
私がよく見ているトーク番組では、タレントのゲストのほかに専門家も出演します。一般人の意見と専門知識を持った人のお話を聞けるので、学べることがとても多いです。私の好きなトーク番組については後ほど紹介します。
繰り返し見れる
ドラマや映画を勉強のために繰り返し見るのは結構つらいことかもしれません。というのは、ドラマや映画はとても面白いから。
せっかく楽しんで観ているのに、勉強のために一時停止したり巻き戻したり何度も繰り返してみたりするのは意外と苦になるかもしれません。
私だったら、内容理解に支障がない場合、勉強はそっちのけで早く続きが見たくてどんどん先に進んでしまうと思います。
それに映画でも多くは90分以上はありますし、ドラマだって何話も続いていくわけですから、それを勉強に使うのは大変な気がします。
トーク番組を使った勉強法
では具体的にはどのように勉強すればいいのでしょうか。
YouTubeで好きなトーク番組を探す
まずは、自分の興味のある番組を探すことから始めます。
YouTubeでなくてもいいのですが、勉強するには一時停止したり巻き戻したりという作業が必要になってきますので、 ネット環境さえ整っていればいつでもどこでも無料で見れるYouTubeが便利だと思います。
私が一番よく活用している番組は新聞挖挖哇。鄭弘儀さんが司会を務める番組で、政治、事件、生活、宗教などの問題をゲストと議論します。
私がよく見るトピックは、ダイエットや教育関係。それからをの時に話題となっている事件。不倫だったり犯罪だったり事故だったり、メディアで大きく取り上げられているような話題性のある事について色々な角度から討論します。
参考までにひとつ動画を載せておきますね。
これは台湾で活躍している日本人タレントのMakiyoさんが、ダイエットで25キロ体重を落とした時のことを語っている動画です。
ある事件に関わってしまって以来テレビではあまり姿を見せなかったMakiyoさんですが、出産後にいろいろ試した過酷なダイエットについて話しています。中国語がとても上手な日本人としてお手本になりますし、勉強のモチベーションになります。
それから同じ番組の違うトピックのものも載せておきます。
こちらは、台湾人の文化について話していて、台湾で活躍する日本人漫才の三木奮さんがゲストとして出演しています。
台湾に住む外国人が「台湾人は婉曲表現が多くてはっきりしない」というSNS上の意見から、日本人にとっては「初対面の人に給料はいくらだ、と聞いてくる台湾人は直接的すぎる」という話題に発展し、台湾人同士でも「同じマンションのエレベーターで乗り合わせた人から部屋はいくらで買った?などと聞かれる」というような笑い話になっていきます。
とても面白いのでよかったら観てみてください
一時停止、巻き戻しを活用する
トーク番組はゲストの方の討論(トピックによっては雑談)で、とにかくテンポが速いです。よくわからなかったところや新しい単語が出てきた時は、一時停止をして単語の発音や意味をきちんと確認し、ゲストがどういうふうな状況でこの単語を使い、どういう文章でこの単語を使ったのかメモします。
台湾の番組には基本的に中国語字幕がついていますので、単語を調べるのはとても簡単です。しかし、単語を調べるだけでは不十分で、その単語を使えるようにしたいなら、まずはその単語を含めた文単位で覚えるようにすることが大切です。
参考になりそうな箇所は何度もきいてシャドーイング
ゲストの発言の中に参考になりそうな文があれば、それをメモし、単語の発音はもちろん、使い方、文法などを確認します。
単語と文を叩き込んだら、次はゲストの発音や抑揚も真似てシャドーイングして、自分の言葉としてスラスラ言えるようになるまで口に出して練習します。
いつも使っている文は、何も考えなくてもスラスラ出てくると思いますが、新しく学んだ文もそういうレベルに持っていくようにするのが最終目標です。
ですから、トピック選びはとても重要で、自分の興味あるもの、台湾人の友達との会話の中で出てきそうなトピックについて勉強するのがいいと思います。
例えば私はずっとダイエットをしていますが、ダイエットは女子の間の永遠のテーマです。女子が集まると必ずダイエットの話が出てきます。
また、文化の違いなどもよく出てくるトピックです。特に初対面の人にはよく聞かれることなので、動画で学んだことを参考にして自分の意見をまとめておくのもいいかもしれません。
視聴者のコメントをチェックする
動画を見終わったら、ついでにみんなのコメントもチェックしてみてください。専門家ではない一般の視聴者のコメントから、自分と全く同じ意見だというものが見つかるかもしれません。
自分と同じような意見を見つけたらそれをメモしておき、自分の意見としていつでも使えるように練習しておけば、会話力がグッと伸びるはずです。
同じトピックのトーク番組をほかでも探す
これは必ずやらなければならないことではありませんが、1つの番組で学習を終えたら、他の番組でも同じトピックを扱っていないか探してみるのもいいかもしれません。
そうすることによって、1つ目の番組で覚えた単語を別の番組で復習することもできますし、他のゲストの話し方も学ぶことができます。
ほぼ同じような意見だったとしても、人によって伝え方も使う表現も変わってきますから、いろいろなパターンでインプットしておくと表現力アップにつながると思います。
ドラマや映画にもメリットはある
今まで、ドラマや映画で勉強するよりトーク番組の方が効率的だというお話をしてきましたが、もちろんドラマや映画にもメリットはあります。
机に向かって勉強するだけが学習ではありませんし、純粋に学習している言語のドラマや映画を楽しむことは聞き取りの練習にもなるでしょう。
「効率」という点を考慮しなければ、ドラマや映画は学習のモチベーションを上げてくれる最高のツールです。
しかし、やはり個人的にはドラマや映画は「学習教材」としてではなく「趣味」として楽しんで観た方がいいような気がします。
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